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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、受容体であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)2に結合し感染することが分かっている。
大阪大学大学院高次脳口腔機能学講座顎口腔機能治療学教授の阪井丘芳氏は「ACE 2は唾液腺にも発現しており、口腔ケアが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を防ぐために有効だ」と主張する。
口腔細菌は歯周病や齲蝕があると肺に移行しやすいことが知られており、2年間口腔ケアを実施した要介護の高齢者では、実施していない者に比べ誤嚥性肺炎の発症率が10%ほど低下するという報告もある。
唾液腺がSARS-CoV-2の貯蔵庫になる事態を防ぐ観点からも、二次的細菌性肺炎を防ぐ観点からも、口腔衛生管理の徹底が重要となる。
そうした背景から、阪井氏は除菌・消臭作用のある要時生成型亜塩素酸イオン水溶液「Matching Transformation system(MA-T)」を開発したエースネット社と共同で、医療従事者の安全性および効率性を高め、患者負担が少なくなるような口腔ケア用品の開発に着手した。
MA-Tは触媒技術により二酸化塩素を改良した成分で、標的となるウイルスや細菌が存在する場面において、水中から二酸化塩素成分を必要量だけ生成する作用を持つ。
100ppm(0.01%)の濃度で、次亜塩素酸水300ppmと同程度の除菌効果を有し、既に多くの航空機やホテルで導入されている他、洗口液などの成分としても利用され、高い評価を得ているという。
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