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鹿児島大学顎顔面疾患制御学分野教授の杉浦剛氏、大阪大学微生物病研究所の共同研究グループは、口腔内の4種の細菌が口腔から大腸に移行して、結腸直腸がん(CRC)の発生や進行に関与す可能性がある、と発表した。
Fusobacterium属とは異なる細菌種で、世界的にも初の発見だという。同氏らは今回の結果から「今後、唾液検査で口腔内細菌叢を調べることにより、CRCの発見やリスクを検知し、予防につながる可能性がある」と期待を寄せている。
CRC患者は口腔衛生状態が悪く、積極的な口腔洗浄でがん予防も
以前の研究でCRC患者では口腔衛生状態が悪い傾向が見られたが、今回の研究でも同様の結果が示された。したがって、細菌種数は積極的な経口洗浄の介入により減少する可能性があり、杉浦氏は「口腔ケアや歯科治療、食事による口腔細菌叢の管理により口腔内から、腸内への細菌の移行が減ることで、CRCの予防につながる可能性がある」と結論している。
Medical Tribune 2021年09月27日